Copyright 2018 JIBITA.All Rights Reserved. サイト内の文章、画像などの著作物はJIBITAに属します。無断転載を禁止します。

​〒758-0024 山口県萩市東浜崎町138-6   info@jibita.com

​萩焼 陶芸 工芸 

  • Nobuchika Kumagai

時澤真美 インタビュー②

こんにちは、のぶちかです。

本日も時澤真美さんへのインタビューです。

ガラス作家の時澤さんですが、高校時代は「油絵」をされていました。

それがガラス制作にどんな影響を与えたかをヒアリングしてみたのですが、非常に面白いお話が聞けたのでどうぞ♪

====================================

のぶちか 創作に関しては何かちっちゃい時からそういうクリエイトするというのは好きだったんですか?

時澤 そうですねぇ、別に親がそういう(アーティスト的な)人っていうわけじゃないですけど、そんなにあの裕福な家庭(というよりは)普通のおうちだったので、まぁなんか無いならないで自分で作ろうかとかそういう発想はあったかなぁと思ってて。まぁでもちょっと割とそうですね小説書いたりとか絵描いたりとかの方が最初はやっぱり興味があって。

のぶちか 文章と平面(絵画)?

時澤 う〜ん、文章はまぁなんか下手なレベルで好きだったんですけど、絵もそうですけど、何か何もないところからワーっと想像力を形にできるみたいな感じはすごい好きだったというか、何も無いなりに想像力だけで補える遊びじゃないけど、で多分楽しかったんだと思うんですけど。

のぶちか 「無いから作ろう」みたいな。 へーそうか あー、関係ないけど血液型がB型で僕と一緒なんですよね。 何か無いから作るって言う感覚なんかすごいわかるんだよなぁ。

時澤 なんかすごい画材とかを買い与えられてるわけじゃないから、なんか余計にそういう発想というか、それが自然というかそれが別に不満でやってたわけじゃなくて。

のぶちか うんうん、1番理想的な状態ですよねぇ(両者 笑)!

時澤 今思えばですけどねぇ(笑)。

のぶちか で高校は普通の?

時澤 いや高校が美術の学校で中学までは普通でしたけど。

のぶちか 高校が油絵(←事前にヒアリングしていました)?

時澤 はい。

のぶちか もう1年生からいきなり油絵に入るんですか?

時澤 そうですね。

のぶちか へー!

時澤 変わった学校ですよね(笑)。

のぶちか すごいなぁ! 高校っていう縛りだとあんまり…

時澤 だから昼までは普通の高校の授業をして、昼からはそれぞれのタイプのことをして絵を描いたりとか陶芸したり、そんな学校だったので。うーん、変わってますよねぇ。

のぶちか へーそっかぁ。油絵(の授業)は何か模写というか色々やるんですか?

時澤 模写はしなかったなぁ。普通に絵描いてましたねぇ。

のぶちか へー、で大学はどちらでどちらでしたっけ?

時澤 愛知教育大学ってとこですね。

のぶちか 選考がどちらでしたっけ?

時澤 はい、あの教育大学なので基本は教免を取る大学なんですけどそれとは別に造形文化コースっていうちょっと「はみ出し者」って言ったらアレなんですけど(笑)、ちょっと別の枠でコースがあって、そこも高校と同じようにガラスだったり陶芸だったり金属だったり織りだったりと言うのを選べるんですけど、まぁ本格的にそれを選んでや選考に入るのは3年からなんですけど、まぁ1 、2年のうちからちょっとずつ触れてみたいな感じで。

のぶちか なるほど、じゃぁまぁそこでガラスを選んで。 なんか文章にしても油(絵)にしても平面じゃないですか?そこで立体に入っていきたいな、っていう気持ちが切り替わったきっかけとかって何かあるんですか?

時澤 それはもう本当に大学はもうガラスがやりたくて選んだので、大学に入る前なんですけど...。きっかけはなんだろうなぁ。きっかけはやっぱり高校で油絵を描きながらやっぱり二次元だったので私が選んだのはどうしても、そこで何かこう表現というか自分の創作と向き合う時に、何かをもうちょっと3Dみたいな事がしたいなぁとか、ちょっとこう「重ねる」みたいな表現がしたいなぁと思った時にガラスってどうなのかな?っていうのを頭の片隅に思ってきたことが最初です。

のぶちか へー!今お聞きしながら思ったんですけど、油(絵)って何て言うのかな、日本画だとか水彩と比べて塗料自体に立体感出せるじゃないですか。モリモリ~!って厚くする事もできるし、まぁそうしないタッチの絵もあるけど結構なんていうのかなぁ、結構技法的に油絵の具を厚塗りする事で表現に奥行きを出すっていうのは意図的にある作業なのかなぁと、勝手に今想像してお話ししているんですけど。なんかそういうアプローチもありました?(これまでの)作品に?

時澤 最後の高校の時に描いた作品は結構盛ってましたね(笑)。

のぶちか あーなるほど!なんかもしかしたらその「盛り描き」(笑)!「盛り描き」なんて多分言わないですけど(笑)、そういうアプローチってなんかここに高さ出すと、なんかちょっとこう絵なのに立体感出るやん、みたいな、そこら辺からじゃあこれ完全な立体に入っていったらもっと表現てあれ(時澤さん自身が本来したい表現に)なるのかなあ、とかって思われたりしたのかなあって勝手に(想像して)。

時澤 うーん、なんか描いててすごい歯がゆいというか、歯がゆさをすごい感じてて、なんかその時は分かんなかったんですけど、その立体を触る事でそれがすごい気持ちのモヤモヤがすごくスッと晴れたんですよね、その後に。だからそこが何かうまく言えないですけど、、、 。

のぶちか あー、まぁはっきりとした動機は分かんないけど、あるきっかけで立体に触れた時に「こっちかも」みたいなのを思われたって事ですかねぇ。 なんとなくその、1回平面(油絵)をやられた事っていうのは今の作品に対してすごく影響があるんじゃないかなと思っていて、要はあのいきなり立体に入った人よりも表現に引き出しが増えるというか、その辺っていうのは御自身ではどのように思われてますか?

時澤 そうですねぇ、あの単純に例えば誰かから注文の何かを作って欲しいって言われてサラっと描いて提案できるっていうのはかなりの強みだと思うので、そういうその自分で描いた図面でそれを立体に起こせると言うのはかなり自分にとっても他人にとっても手段として分かりやすいかなぁと。

のぶちか そっかぁ、なるほど。

時澤 まぁ、(富山) ガラス工房のスタッフとして働いてたりもしたので、例えば「何か提案してよ」って「ここにオブジェで何万円で」とかって言われた時に、やっぱりその火画力があるっていうのは結構強みですよねぇ。っていうのは単純にあるんですけど。 でもまぁ何か自分で作りたいと思った時に紙の上でいろいろ試せるというか、考えられると言うのはやっぱり、あるかなぁ。

のぶちか じゃぁ直接的にその絵を描いた事が制作に対してという事よりはプロトタイプを平面上で先に作れちゃう、先にイメージできちゃう。より具体的に、っていう事ですかねぇ。

時澤 分かんないですけどねぇ…、なんかあんまり絵描かない人は逆にじゃあどうやって作ってるんだろうって私は分かんないんで、皆さんどうしてるのかなあ?っていうのはありますけど…。

のぶちか デッサン描かない作家って陶芸家とかは結構多いんですよねぇ。作りながら、土と対話しながら勝手にできたとか、あるいはおおまかなイメージを持っていてってところもあるんですけど、だけどやっぱり画力っていうレベルになっていくと相当な武器っていうか、絵に関しては(僕は)素人だからちょっとした知識の寄せ集めでしかしゃべれないですけど、やっぱり「よく観る」とか「よく観察する」、で、それをいかに忠実に平面に起こせるかっていう風に僕は思っていて。 だから「模写」って聞いたのはその事だったんですけど。その時に例えばこのクリアのものをイメージじゃなくて見たまんまで考えた時って、イメージで見たら透明なんだからそもそもアウトラインだけで終わりになっちゃんだけど、入り込んでる光だとかこういうものをイメージじゃなくて純粋に100%視覚に入ってくる情報だけで起こすっていう、この観察ができちゃうと、イメージでゼロイチで物を平面へ起こす時に、そういう事もやっぱり可能になるんだろうなぁ、みたいな。

時澤 でも今のお話を聞いて思うのは、それこそ透明なものって写り込みとかがあるので、自分が意図してない先までガラスが起こしてくれたりするのは(ガラスの)面白さかなぁって言うか。 紙上で終わらないっていうか、それがガラスの良さでもあると思うんですけど。

のぶちか そうかぁ。

時澤 紙上で終わるんだったらたぶん紙上で終わってる話だからそこの先があるっていうのでいつも驚かされたりとか。

のぶちか いやぁ面白いなぁ、確かにそうだよなぁ。イメージはイメージですもんねぇ。 うーん、「まぁこうなるんだろうなぁ」っていうイメージ図は描けても。だってこれだってどんな厚みにするかでここから見てる同じ角度でも、取り込む光の量が変わるでしょうし、そこまでの克明なイメージっていうのはやっぱり、あるいはこうやって入ってきてる光の加減だとかっていう事でも表情は刻々と変わっていくでしょうし。

時澤 話は変わりますが、例えば吹きガラスでよく言われるかどうか分からないですけど、私が思ってるのは人によって気持ちいいサイズがあって作ってて、私結構大きめなんですよそれが。で、まぁすごい昔絵を描いていた事を(のぶちかから)褒めて頂くんですけど、逆にそれはあんまり立体のことを昔から学んでこなかったと言う事なんで、ちょっとコンプレックスもあるんですよ逆に。そんなに立体の部分では洗練されてないんじゃないかぁっていうとこもあって。だからそれとその自分の気持ちいい形を、って何も考えずにガラスをするとちょっとやぼったくなる気がしてて。それを防ぐ為っていうか、もう少しブラッシュアップする為にも最初に絵だったりとか大きさだったりをしっかり 最初に回だったりとか大きさだったりとかをしっかり考えて作る方がいいかな?っていつも思ってます。

時澤 なるほど。いやなんか作品拝見して受ける印象の中にちょっと...、パキッと感というか、そういうのは何か感じるところがあったんですよね。それは決してその遊びが少ないからいけないとかそういう話ではなくて。真面目さというか...。 それはだから事前のデッサンというか、イメージがカチッとしてたからかもしれないですねぇ。

時澤 うーん…、カチッとした方が好き、というかデッサンとかでも結構エッジの利いたLINEを引いちゃうので…。そういうのが好きな分もあり、ホワッとしたようなデッサンを描く人に憧れもあります。ガラスも然りですけど。なんかフワッとしたラインで終わるような作品の人にも逆に憧れますけど。

のぶちか まぁなんかいろんなパターンがそれぞれあって。全部取り込むのもなんかねぇ(笑)。段階経て各フェーズで変わっていくならいいけど、1つのフェーズに全部盛り込むと誰の作品か分からなくなることもあるだろうし、ワンフェーズを極めていくのも割とやっぱり時間のかかる事だろうから。自分でそこをねぇ全部達成しなくても自分がやってて1番気持ちがいいゾーンっていうんですかねぇ。あれをやっぱりされてらっしゃるからいいんじゃないかなぁと思いますね。うーんなるほど…。事前のイメージを越えていくガラスが面白いという事。

時澤 そうですねぇ。

インタビュー③に続く。

6回の閲覧