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◆菊地 大護作品 初入荷しました。

  • 執筆者の写真: Nobuchika Kumagai
    Nobuchika Kumagai
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分
菊地大護:katakuchi vase
菊地大護:katakuchi vase

こんにちは、のぶちかです。


さて本日は菊地大護さんから2年越しで作品が初入荷しましたので御紹介します。


菊地さんは富山ガラス工芸研究所を卒業後、かの有名なピーター・アイビー氏に4年間師事します。


その後、富山ガラス工房勤務を経て2025年に独立。


ピーター氏の元で培った極薄の吹きガラス技術をベースに、今や菊地さんの代名詞とも言えるピンク色のガラスを着色用色ガラスを使わずに生み出す事に成功し、シンプルで美しいフォルムの作品を多数手掛けられています。


菊地大護:DOME&COMPORT
菊地大護:DOME&COMPORT

色に関する個人的見解を記すと、苦心の末のこのピンクは淡く儚げで桜と比喩するには薄く、むしろ、早朝の青白い空に朝日が昇り始める頃の薄っすらと赤みがかるあの幻想的な空を想起させます。


非常に美しいです。


菊地大護:Houhin
菊地大護:Houhin

その他、作品をよく観ると、気泡や道具跡、うねりの様な脈理に気付きます。それを消す事は造作もない事の様ですが、吹きガラスならではの魅力がそこに宿っているとの考えから、菊地さんはそのままにされています。



ちなみにこのピンクや道具跡、脈理の存在は、器に強い光が差した時、美しい影となってテーブルクロスなどを彩ります。


太陽が位置を変えてその影をまた変化させるならば、時間の経過と共にきっとその影の美しさも楽しむ事ができるでしょう。


菊地さんの作品は今回、常設用にと入荷しましたが、今年の8月にはJIBITA初個展も控えておりますので、個展の予習としてもぜひ御鑑賞いただければ幸いです。


菊地大護:VASE MARU
菊地大護:VASE MARU


~追記~


ガラスの温度が低い時にジャックを使うと傷の様に見えるジャックラインが入りやすいそうですが、これが道具跡です。


一方で、回転による遠心力で生まれる流動線などは道具跡というよりは手跡系の痕跡となり、また、ガラスの溶け具合の不均一さにより陽炎の様なうねりを見せるのが脈理となります。それらを総称して「道具跡」と呼ぶには乱暴と感じましたので、のぶちかはそれらを道具跡も含めて以下、「手跡」と呼ばせていただく事にします。


手跡はオールドバカラなどの様に品質管理が極限まで高められたブランドでは見る事は無いに等しいそうで、対するアンティークのレーマー杯などにはこの手跡系の痕跡がはっきりと残されています。


菊地大護:Houhin
菊地大護:Houhin

それ自体は再度、炉で温め直したり磨いたりする事で消す事はできるそうなのですが、アンティークのレーマー杯はそれを行わず、むしろその手跡こそが美しく当時から現代の人々まで惹きつけ続けています。


そして先日も記した理由の下に菊地さんもそれを行いません。


かつて、オールドバカラが不完全さを徹底的な研磨や加工によって「消し去ること」を美徳としながら目指したのが、人間の意志で支配された「無傷の宝石」とするならば、菊地さんのガラスは、素材がまだ液体だった動性をそのまま封じ込めた「生命体」と見る事ができ、その場合、手跡は不完全さではなく生命の宿りとなります。


Skittel hip flask
Skittel hip flask

菊地さんはオールドバカラや工業製品には無いこの手跡を「消すべき不完全さ」ではなく、命を吹き込んだ手仕事の記憶として、あえてそのまま残しているのです。


菊地さんの作品には全てその手跡が浮かびますので、傷という御認識ではなく命の宿った景色として、愛でていただければ幸いです。


katakuchi (M)
katakuchi (M)

 
 
 

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